人形作りに妥協はしない
なぜ、人形を作り続けるのでしょうか?
「毎回、全身全霊で人形作りをしているけれども、そのときは納得がいき満足をするんだよね。
でも跡からね、「もっとこうすれば」という想いが湧いてくるんだよ。
もし改良すれば、人形の完成度がもっと上がるんじゃないかというふうにね。
30年以上も人形づくりをしているけれども、未だに完璧だと思えなくて、「まだまだ、、、」という想いが湧いてくるんだよな。」

何日もかけて制作した造形をいとも簡単に壊してしまう。なぜでしょうか。
「いくら時間をかけて人形を制作したとしても、ダメなものはダメで納得いかないんだよ。そこで直して見ようとしても、ダメなところからは納得の行くものは完成しないだよね。
そんな時は、時間をかけて作ったものでも壊してしまって、最初のイメージに戻って始めることが大切なんだよね。」

インスピレーションはどこから湧いてくのでしょうか。
「他の人形を参考にしてしまうとその瞬間から自分の作品では無くなるんだよね。
そこで、21歳から彫刻や陶芸家に修事、勉強した。
当時の先生の教えが、[一流の物を観る事。二流は見るな。]
一流と評価される物を見たり、・・・そうして蓄積されたものが、江戸木目込人形をデザインする時に役立っている。
自然とシルエットやバランスが想像できるんだ。
人の何倍も研究して、もっともっとうまく表現したいと考えて、人形作りをしているんだよ。」